
ペダリングする自転車ライダー周りの流れ場計算です.Q値と表面圧力分布を示しています.ペダリングを表現するために何重ものスライディングメッシュを組み合わせています.太もも,膝,足首,ペダルの各々別の動きをしており,非常に複雑な動きを再現しています.また流れ場は粘性圧縮性流体として計算しています.また現在複数の自転車を用いて自転車競技における各々の影響を調べる取り組みを進めています.

水面近くを潜航する潜水艦周りのシミュレーション結果です.後部に設置されたスクリューをスライディングメッシュ法を用いて表現しています.本研究室において非圧縮性流体にスライディングメッシュ法を初めて適用した計算事例となっています.また潜水艦の動きによる水面形状の変化も計算しています.動画の上部にある水色とグレーの境界線が水面であり,界面追跡法にて水面の動きを計算したものです.

8個の埋め込んだスライディングメッシュ法と移動計算領域法(MCD法)を組み合わせることで二重反転式オクトロータ型「空飛ぶクルマ」の旋回飛行を表現しています.旋回に必要なエルロン操作とラダー操作を行いつつ,高度と姿勢も同時に制御しています.このコンピュータ内に再現した空飛ぶクルマ「デジタルフライングカー」を用いて,次世代モビリティの開発のための高精度シミュレーション技術構築を進めています.

至近距離ですれ違うヘリコプター周りの流れ場を計算しています.各々のヘリコプターに対し個別の計算領域を設定すると共に,その2つの計算領域をヘリコプターの動きに合わせて移動・融合・分離させているものです.従来固定して使用される計算領域の自由度を極限まで上げることで実現させた事例です.ローターブレードの回転については重畳格子法を採用しています.

プロペラの回転数とエレベータ操作のみをユーザーにより与えた結果(宙返り飛行)を示しています.デジタルフライトの第一歩として6自由度を有するフライトシミュレーションです.プロペラの回転により右側方向に流されているのを確認することができます.将来的には飛行機に搭載されたPCにより飛行ルートを計算し,その計算時間を飛行機の到達時間より速くすることで,予測飛行(例えば前方の発生している乱気流に対し,避けるのか突っ込むのかを事前にシミュレーションしてしまう)が可能となります.

ティルトローターの代表機であるV22オスプレイの計算結果です.離陸時はヘリコプターモードで上昇し,その後エンジンナセルを前方へ倒すことにより飛行機モードへ変更されます.両者のメリットを併せた効率の良い航空機なのですが,離陸時に不安定となる要因が見られます.具体的には離陸直後のダウンウォッシュ(地上への気流の叩きつけ)が大きくなることが一つ,またヘリコプターモードから飛行機モードへの変更時に揚力のドロップが見られます.

GPマシンを鈴鹿サーキットで一周させた動画です.通常このような広範囲での計算を行う場合には,サーキット全体に計算格子を設置するためコストが増大してしまい現実的ではありません.本計算についてマシン周りのみを計算領域とし,その計算領域そのものをマシンの動きに合わせてサーキットを走らせています.またコーナーにおいて車体を傾けたりすることも可能であり,連続走行におけるマシンへの影響を調査することが可能となっています.


ドルフィンキック泳法における様子をシミュレーションしたものです.動画のようにスイマーの動きに合わせて計算格子を激しく動かしています.格子はバネ要素を複合することで安定性を保っています.またこの動きを与えた結果,水との相互作用により発生した推力を用いています.このデジタルスイマーにより、例えば膝の最大曲げ角度は60度が最適である等,シミュレーションによる提案も可能となっています.